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遥か吉備路のむこうへ

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2015年 06月 19日

バイクは無言で語っている…見て(LOOK)ください、これを


いつだって愛情を注いでほしい。

バイクは生ものではないけれど、扱う乗り手に正直に反応する性質があります。

バイクの調子が悪いのはもちろん工業製品であるがゆえにその精度や構造にかかわることがありますが、一方で乗り手の扱いや手入れに大きく影響するものだと知ってほしいんです。

レーシングマシンになればなるほど、繊細な扱いを当然しなければならないしバイクに愛情を持ち対話することで長持ちもするし、なにより持っているパフォーマンスをキチンと出してくれるものです。


今回は、LOOKのヘッドパーツの話

大事なレース数日前に持ち込まれたんですが、ヘッドから異音がするというもの。

どうやらかなり前から症状があったらしいが、あまり気にせず放置に近い状態でつかっていたようです。下ベアリングから茶色い液がでてくるので持ち込んだようです。

LOOK、実は超繊細な取り扱いが必要なバイクなんですね、このヘッドパーツも独自企画で一般的な汎用品が使えません。独特の規格によりヘッドキャップはプラスチック、その中でベアリング押さえと位置決めに筒状のアルミニュゥムでできた部品が曲者で、汗などが沁み込みやすい形状な上に短期間に腐食すると言う性質を持っています。

なので、極力綺麗にするということはもちろん、頻繁にグリスアップが必要なのですが…

今回はかなりの重症で、アルミの筒状部品が腐食により肥大化し外側のヘッドカバー(樹脂)を破断させていました。さらには固着した筒状部品がびくともせずに…頭を悩ますことになりました。

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↑この状態からびくともしなくて、困りました


まずは専用部品がすぐあるのか?そして固着したパーツが外れるのか、レースに間に合うのか…
1年に1度のレース、しかも大事なレースに決戦マシンで出場してもらう。これをなんとかしなければならない。我々の最大優先事項はコレ。

専用部品は輸入代理店に在庫ありでOK。ところがパーツが外れません…物理的な方法で手を焼き、オイル系塗布してもNG。あちこちにヘルプの問い合わせの末、ディグリーザーとドライヤーの熱により固着が緩和されなんとか分解に成功した。※たった2行ほど、されど数日間の話(笑)

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↑腐食した部品はボロボロだけど、外れません
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↑こんなことも、あんなことも…
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↑取れた~~~


何事も無く原状復帰させることができオーナーの元へ届けることができたが、これは紙一重だと認識して欲しいんです…こうしたトラブルで折角頑張ってきてレースを台無しにしては勿体ないと私は思うから。常日頃から自分の身体と同等にマシンに気を使い異変に早期に対応する、もっというとそういう状態にならないよう日頃から消耗品を取り換えたり、グリスアップを怠らない。結果を安定してだしてゆく選手はそうしたことを普通にしています。不測のアクシデントも実は日頃の積み重ねで確率が違うと断言できます。

みなさんも、自分のバイク大事にしてますか?
自分の命を乗せて走ってるんですよ、時には自分と等しく扱ってあげてくださいね。


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↑ ちなみにコレ新品です






by ipsilon_fujiwara | 2015-06-19 08:22 | 仕事の流儀


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