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2014年 10月 20日

サイスポ全日本最速店長選手権2014 レースレポート


『参加する店長達が本気で走るガチンコレース』


昨年、絶好調で臨んだが落車によりなんとも消化不良なDNFを経験した。
今年こそと…とは簡単にいかず、苦しいシーズン前半を過ごし涼しい夏と早い秋のお陰でようやく帳尻を合ったのが正直なところ。
しかもレースはポイントレースからマスドロード75(1.5km×50)に変更になり、大きく練習メニューも軌道修正を余儀なくされる。朝マックでの基礎的な反復練習と休日の応用メニューを淡々とこなしパフォーマンスの最低到達ポイントをなんとかクリアして成田入り。
私の長所は、自身の客観的なパフォーマンス評価と相対評価を正確に行い、その時のパフォーマンスを余すことなく発揮すること…レースに参加する以上、目標はいつも優勝であるけれど今回はイメージしにくい状態だった、その少ない可能性の中で今の自分がどうすべきかはおのずと限られていた。

今回も元全日本チャンプ、元世界選手権代表、元エリート実業団、インターハイチャンプ…グレードアップされてましたよ…。さらにエントリーリストを見て驚いたのは、キング三浦こと三浦恭資氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E6%81%AD%E8%B3%87)がゲスト参加となっていたこと。実業団時代の大先輩であり師匠ではあるが、あまりにも偉大すぎてこうして走れることなど想像もしていなかったからだ。これは故・森 幸春氏の追悼イベントとしてゲスト参加されたようで、スタート前も追悼セレモニーが行われた。

私も、故・森氏の魂を受け継ぐ端くれとして、観客に魅せるそして後輩や育成するメンバーたちに恥ずかしくないレースをすると強く誓いスタートをする。

また、今回の面白い企画としてスポーツカメラを販売するシマノさんのアイデアで選手にオンボードカメラを搭載・撮影し編集するという、レースの模様をよりリアルに見れるようになるだろう。搭載は67名、その1機が私のバイクに搭載された。これにはモチベーションがあがった、なぜなら搭載を依頼するということはいい画が期待できる選手と思って貰えたこと他ならない、こうした些細な事でもモチベーションに大きく影響する。

天気は、温帯低気圧に影響を受けて小雨と少し強めの風。
昨年同様ウェット…忌まわしい記憶がリフレインするが、今回は自身へのフォローウィンドだと感じていた。練習不足によるスタミナ不足の不安を払拭しきれてなかったからだ、雨により気温は低めでしかもパワーを全開しにくい路面状況になるから。

戦略は、序盤は様子見で後半勝負と考えていたのだが…


スタートしてほどなく活性化した集団前方で落車が発生、難なくかわせるはずがなんと路肩の泥にスリップしてコース脇の植樹に突っ込んでしまう。しかし、マシンも身体ともにダメージは無くニュートラル適用で無事に集団復帰。
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周を過ぎ序盤の激しい出入りが落ちつきかけた頃…キングが動く、同調するように大石さんも…そして身体が勝手に反応して集団前へ、振り返るとキング・大石さん・丸山さん・私の4人で飛び出していた。
阿吽の呼吸でローテが始まる、何周かローテ続く…キングはキツイのか後ろで待機、いくらなんでもこのまま逃げ切れる距離ではない。そうこうしたらデフェンディングチャンピオンの岩佐さんと元愛三工業の新保さんが合流。強力なメンバーかと思われたが、微妙な脚力差があり次第
にペースが落ち気づけば、大石さん・岩佐さん・私の3名になっていた。残りはまだ半分ほどあったと思うが、岩佐さんが単独アタックを敢行し逃げて行った。

私と大石さんは一旦後ろを待って集団に戻る、カウンターパンチを警戒したが集団のペースは思ったほどでなく無事に回復モードに入る。

絶え間なく出入りする集団前方、どうしても逃げたい西谷さんがバンバンしかけている様子。幾人かが飛び出すがほどなく吸収の繰り返し、誰もが決定的なアタックにはなっていない。時折やばそうな時はブリッジをかけに動くことで対処した。岩佐さんの逃げは続くが集団のペースが落ちない限りは追いつけると算段、そして残り15周くらいか…ソロで逃げ続けた岩佐さんが吸収されレースは振り出しに戻った。


いよいよ勝負をかけた動きが始まる、兎に角少人数で逃げたい人とこのまま集団でゴールまで行きたい人、もう一杯で着いてるだけな人自分は勝率を高めるために逃げたい派だ。どういう面子で逃げるかも大いに勝負に関わる。

驚いたのはこの終盤でありながら、キング三浦さんがキーになりそうな動きをされたこと初めの逃げもそうなのだけど、自ら背中で語るような動きこれには痺れた。直近2週間しか乗ってないにも関わらず果敢に攻める三浦さん、そんなキングに鼓舞され反応する自分がいた。はやり超一流は類まれな身体能力を持ち、勝負になるポイントを見極める能力に長けている。
相変わらず集団前方で西谷さんが飛び出している。しかし、独りでは無理だろう。集団も同様な雰囲気で泳がせている雰囲気だ。

その時、雷神のような気迫でアタックをかける人が大石さんだ! 今までずっと集団内で回復を図り温存していたパワーを全開にしたのだ。瞬間でこれは決まる動きだと察知、周りを見渡すが誰もが金縛りになったように動かない。

「ここしかない!」


間髪いれず全力で追いかけた、チラ見で後ろを確認したが誰も追ってきていない。200m先の西谷さん、100m先の大石さんを見据え、最大のパワーをかける。ここで一気に追いつかなければ終わりだ。時間にして30秒ほどか大石さんが西谷さんに追いついた、ほどなくして2人に合流成功、3人と声をかけた。

間違いなくゴールまで逃げたい3人による全力のローテが始まった。そしてゴールラインに3人が差しかかった時ギャラリーから驚きの声と拍手がこれには感動したな。残りは12周くらいかこの12周ででれだけ集団からタイムを稼げるかが勝負、黙々とローテをこなしてゆく。このままゴールまで果たして持つのかという不安と、このチャンスにいけるところまで行くしかないという現実。


数周を経て後方と一気に差が開いたことを確認し、3名による勝負の展開を考える。自分にとって又とないチャンスと思えた、この3名によるゴールスプリントなら充分に見込みがあると想定できたからだ。淡々と進み残り3周くらいから2人の動きを注視する。
協調を破ったのは西谷さん残り2周ゴールラインに向かう登り部分でアタック、大丈夫だ逃がさない。やはりアタックの連発で相当脚にきているのだろう、ついにラスト1周だ。今度は大石さんが行く! これにも対応、返す刀で西谷さんがもう1強烈だが対応できている。

残り1.5…2人の後ろでローテをスルーし動向を探る、アタックが不発になりそのまま牽制モードで西谷さんが引き続ける。残り300mあたりから大石さんが西谷さんをかわし前へ、番手のママゴールへ向う右コーナー登りに差し掛かる「これは今日はいただきだと、内心ほくそ笑んだ

ゴール前の右コーナー、実は昨年落車をした場所だった。ここで先行する大石さんのリアが滑った、同じところで自分も滑る。これにより加速がスポイルされ体制を修正する間にスリップから離れてしまった
迫るゴール、一気に捲りに行きかけたその時
大石さんが信じられない加速をした全く勝負にならなかった。残っているはずのスプリント用の脚は全くなかったのだ目の前にあった全日本最速店長のタイトルが逃げてゆくそして、ゴール。

終わった、長かったようであっという間の3人によるエスケイプ、なかなか味わえない楽しい濃密な時間だった。この日はすべて自分にフォローウィンドが吹いていたように感じた、自ら動いたのはほんとうに逃げが決まった時のみに等しい効率のよさ、こういう時はだいたい勝てるものなのだけど大石さんは更なる追い風があったとコメントしていた。亡き森師匠の背中を追いかけ、僕らを千切り捨てていったように思う。


ゴール後、サイスポ編集部のみならず一緒に走った店長たちからも称賛の声を頂いた。なかでも自店の選手の付き添いできていたシルべストサイクルの山崎総店長とキング三浦さんからの言葉が最高に嬉しかった。

優勝できなくて悔しくないかと言われたら、それは悔しいに決まっている。しかし今回は僕がまだ優勝できる資格がなかったということなのだろう
初参加の2年前から夢にまで見た表彰台、これは一番高いところではなかったけれど格別なものだった。去年、落車によるDNFで走りきれなかった想い、不調で苦しかった時に何度も動画をみて思い出した。この日の為に1年過ごしてきたとも思う、日々小さな積み重ねではあるが、それがこうして実ることを証明したかったしね。今年もまた多くのお客さんやスタッフから応援をもらい走れたことにとても感謝している。

次こそ?全日本最速店長のタイトルを取れるよう精進してゆきたい。あっ、ある取引先の方から言われました。大石さん東日本だから、フジワラさん「西日本最速店長ですね!」って、(笑)と。

ご来店頂く多くのお客様からお祝いのお言葉を頂きました。応援してくれたみなさん、練習を共にしてくれたみなさん、ほんとうにありがとうございました。


その後、届いたサイスポ12月号を見て思う

表紙はカッコええなぁ~やっぱり1位と2位は大違いだな()


WAVE BIKES総社店 藤原龍治


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by ipsilon_fujiwara | 2014-10-20 20:39 | レース活動


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